なぜだか眠れなくて、京都のことを思い出している。あそこには一日しかいなかったのに。少し変わった場所だと思った。着いたばかりの頃は、道が静かすぎて、でもとてもきれいだった。細い道をゆっくり歩いたことを思い出す。路傍にあった「100円」と表示された自動販売機は、今でも私の待ち受け画面だ。初めて神社を訪れ、初めて「2礼2拍手1礼」をする人々をじっと眺めたあの時。ずっとそばで見ていた。午後3時にオンラインで体育の授業を選ばなければならなくて、場所を探して座ったあの神苑の中。広い空間に赤い建物が立ち、その前に風鈴が幾つも連なり、美しい音を響かせていた。京都大学の正門まで行ったのに、中に入る勇気がなく、通りすがりの人のふりをして、振り返らずにまっすぐ前へ歩き続け、やっとの思いで引き返して門をくぐったことも覚えている。入った後は、曲がることもできず、まっすぐにキャンパスを横切って、反対側の門から出て行った。ある店で食事をしたときのことも。うっかり入ってしまったものの、何を話せばよいか分からず、QRコードを読み取ってオンラインメニューを開き、見た目がよさそうな料理を注文した。でも量が多すぎて、とても食べきれなかったし、少し塩辛かった。食べ残して店を出るのは失礼だと思い、翻訳アプリで用意した謝罪の文章を店員に見せて出て行った。また歩き続け、今度は夕日を迎えながら。十字路に差し掛かった時、ふとその光景が北京の通りと夕暮れに似ていると感じた。そろそろ眠れそうだ……