『斜め論(松本卓也著)』読了。かつての精神病理学が陥ったハイデガー主義の垂直方向の特権化、それを乗り越えるべく、統合失調症患者の内なる声が垂直方向の思い上がりに発病原因があるとすることから隣人との水平的な関係性の欠落を認めその回復を目指したビンスワンガー、しかし、水平性は人間の平準化へ向かうとし、本書ではこれらの抑圧性を乗り越えるためガタリの【斜め横断性】へと接続させてゆく。勿論、ここでの垂直水平から抑圧性や強迫性を緩和させると言祝ぐだけでは不十分であり、到達点が硬直したものになっていないか絶えざる問い直しが必要となってくる。そしてこの垂直水平を包括する問い直しを斜めとする。また、ケアする・されるの対で図り得ない態度を國分功一郎は【中動態】という態で示したが、受動能動の意志の前提は解体されるという態度はどこか『斜め論』と通底するところがある。
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