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ほしの
ほしのは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の市教委を除かなければならぬと決意した。ほしのには行政がわからぬ。ほしのは、休職中である。酒を飲みゲームで遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては人一倍に敏感であった。今日未明ほしのは家を出発し、野を越え山越え、二十里はなれたこの淀屋橋にやって来た。ほしのにはやる気も、体力も無い。勤労意欲もまるで無い。年下の温和な夫と二人暮しだ。休職明けも間近かなのである。ほしのはそれゆえ観念して、健康診断とハリネズミカフェやらオタグッズやらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。ほしのには竹馬の友があった。彼女は今は此の大阪の市で銀行員をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。無事友を勤務から抜き出し、歩いているうちにほしのは、急な着信を怪しく思った。やけにしつこい。のんきなほしのも、だんだん不安になってきた。仕方ないので折り返して、何かあったのか、仮にも病休中である身の上、8月15日までは休みであったはずだが、と質問した。若い教師は首を振って答えなかった。しばらく待たされ教務が出て、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。教務はあたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「教頭が、あなたをお呼びです。」
「なぜ呼ぶのだ。」
「休職中、というのは承知ですが、顧問が病気になり部活動を指導する人がおりませぬ。」
「まさか代理を探しているのか。」
「はい、はじめは体育のヒラオさまを。それから、家庭科のコスギを。それからナカジさまを。それから数学のカンバラ様を。」
「あきれた上司だ。生かして置けぬ。」
ほしのは単純な女であった。ハードロックカフェで表にバック・トゥ・ザ・フューチャーがガンガン流れる中で、のこのこ役所に電話を架けた。たちまち彼女は受付の女に問いただされた。調べられて、ほしのは現在休職中であったので余計に騒ぎが大きくなってしまった。ほしのは担当の前に引き出された。
「この電話で何を告げるつもりであったか。言え!」市教委は静かに、けれども威厳をもって問いつめた。
「休職中の権利を暴君の手から救うのだ。」とほしのは悪びれずに答えた。
「おまえがか?」市教委は憫笑した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、学校の激務がわからぬ。」
「言うな!」とほしのはいきり立って反駁した。「ニートに仕事を強いるのは最も恥ずべき悪徳だ。市は私の病状をさえ疑って居られる。」
「そうは言っても、ほしのさん。再来週からは復職なんですよ?」
こんどはほしのが嘲笑した。「罪の無い人を病気にしておいて何が復職だ。」
「すっかりお元気そうじゃないですか。何処にいらっしゃるんです、ユニバーサルシティ?」
ほしのはひどく赤面した。
(※暇にも程がある(ほぼ実話))

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しるふぃん
後半にまにまして読んでしまいました…笑!ほしのさんの書かれる文章がすきです💓💘🙈✨
あなぐま
まじで笑わせていただきました 文才すぎるwww
お気楽じーさん
はしれほしの! ほしのは走った 獺祭治 ほしのさんにはお酒も似合う🍶
おにく❄☃️⛷️
文才にメロメロっす。