参政党は、日本の既成政党の枠組みを逸脱し、強いメッセージ性と敵味方を明確に分ける言説で急速に注目を集めています。その特徴を分析すると、ドナルド・トランプ前米大統領が体現した「ポピュリズム（大衆迎合主義）」と非常に似た構造を持っていることがわかります。

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ゴトー(と🐱)

2025/07/16

参政党は、日本の既成政党の枠組みを逸脱し、強いメッセージ性と敵味方を明確に分ける言説で急速に注目を集めています。その特徴を分析すると、ドナルド・トランプ前米大統領が体現した「ポピュリズム（大衆迎合主義）」と非常に似た構造を持っていることがわかります。

具体的には、「既存政党・官僚・メディア対覚醒した国民」という対立軸の提示や、グローバリズム、WHO、日教組、マスコミなどの「敵の明確化」、そして「我々は“気づいた人”の代表」という自己正当化が行われています。また、ワクチン陰謀論やメディア不信、歴史修正主義などの情報不信・陰謀的傾向が強く、YouTube発信やライブ配信などによるエンタメ性と熱狂の醸成も特徴的です。まさにこれは、トランプ型ポピュリズムの日本版コピーキャットと言えるでしょう。

では、なぜ今それが受け入れられているのでしょうか。背景には、構造的な政治不信と社会の不安があります。長年続く自民党政権と野党の弱体化により既成政党への期待は薄れ、非正規雇用や物価上昇、老後不安などから「誰も自分を守ってくれない」という感覚が広がっています。さらに、テレビや新聞だけでは届かない層にSNSやYouTubeを通じた“新しい語り”が浸透し、陰謀論的言説が「真実を隠しているあいつら」といった物語で複雑な現実を単純化しています。こうした要素が重なり、参政党の「気づいた人たちが日本を取り戻す」というストーリーは、疑念や怒り、孤独を抱える人々の心に訴えかけているのです。

しかし、それは“成立しうる”政治ではありません。仮に日本政府がトランプ型政治を本気で採用した場合、国際的に深刻な影響が出ることが予想されます。まず、日本は国際協調に強く依存しており、アメリカのように孤立しても影響力を維持できる国ではありません。WTO、WHO、UN、TPPなどの国際枠組みとの対立は、経済・安全保障の双方で不利に働き、国際的信用は崩壊するでしょう。

また、日本はエネルギーや食料、原材料の多くを輸入に頼っており、自国第一主義は成立しにくいです。海外投資家の撤退や通貨安、貿易障害を招き、国民生活に直接打撃が及ぶ可能性が高いです。安全保障面では、米国からの自立を掲げつつも現実的な安全保障ビジョンを持たなければ、東アジア地域における日本の立場は脆弱化します。自衛力の強化や核議論すら難しい現状で「同盟軽視」が先行すれば戦略的空白を生み出すことになるでしょう。

さらに、参政党の政策は国民を「気づいた者」と「愚かな大衆」に分ける構造であり、民主主義を壊しやすいです。陰謀論的思考が政策決定に影響を与えれば、科学や教育、医療の制度そのものが崩壊する恐れがあります。

参政党の急伸は、既存の政治が見落としてきた不満や不信の表れでもあります。彼らの支持が「突然湧いたもの」ではない事実を直視すべきです。しかし、問題の解決には怒りをぶつけることではなく、合意形成や制度設計、国際連携といった現実的な努力が必要です。トランプの模倣では、アメリカ以上に「日本の民主主義と国際的地位」が危機に陥ることを指摘しておきたいと思います。