てぃーしゃつなんてどうでも良くて可愛いきらりんが見れるだけで幸せです

【小説家さんと映画デートをする】４
#まる婚活

他の男性達が「よくわからないけど、小説を書いても良いんじゃない？」と容認する中、
彼だけは「書くことは素晴らしいから良いと思うよ」と推奨をしてくれた。

無愛想だし、会ったら偉そうだし、何考えてるかわからないし、業務連絡だし、婚活初心者だし。
（失礼だけど）何一つ魅力を感じない男性だったけど、
この「素晴らしいから良いと思うよ」という言葉だけが引っかかった。

私の好きな事に対して、背中を押してくれた。
たったそれだけで、すごく嬉しかった。

だからもう一度会って
『やっぱコイツ駄目だわあああ！！
趣味だけ合っても結婚とは別だわああ！！』と
思ってからお断りをしたかった。

思いっきり痛い目を見ないと、私の心の中で気持ちの踏ん切りが付かなかった。

『小説に対しては良くても、やっぱり共同生活は無理！糞じゃん！』って思って、次の男へ。
前へ進もうと思った。

だから『もう一度だけ会って、駄目だったらお断りしますね』と、結婚相談所のおばちゃんに伝えた。

「でも彼はあなたの事を気に入ってるみたいよ」とおばちゃんは付け加える。

『嘘でしょ？　気に入ってたら、あんな業務連絡で終わったりしないですよ』と私は苦笑した。

彼からラインが来た。
「会ったら色々とお互いに愚痴を言い合いたいです」

…ほら、これで『気に入ってる』とか絶対に嘘でしょ。
何で職場や周りの愚痴（悪口）を言い合うのが楽しみになるのよ。
私はそんな彼に『私としては愚痴以外の色々な話をしたいです』と返した。

業務連絡を繰り返して決まったデートの予定は、なんとも味気ないものだった。
12時過ぎに映画館に集合。それから映画を見て、お茶をして現地解散。
やる気の無さが見え見えだ。

12時過ぎに映画があるのなら、もっと早めに合流して、ランチを一緒にしてから映画でいいじゃないか。

ご飯を食べて、映画を見て、お茶をしながら話をするのが一般的じゃなかろうか。
余裕を楽しむ、ということは考えないのだろうか。

何も無しに歩きながら話すのが楽しいとか、
映画が始まるまでどこかで時間を潰すのが楽しいとか、
そんなことは無いのだろうか。

気だけがどんどん重くなる。

そしてついにデートの日が来る。

デートの日。
私は朝から縁切り神社にいた。