フランキーの声ジャイアンすぎて嫌｜夜空の投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

【小説家の彼の裏側から】１

※小説家の男とお見合いをしたお話【小説家さんと映画デートをする】の続きです。これまでの流れは　#まる婚活にてまとまっています。

結婚相談所で出会った小説家とそっけないデートをして、『完全に脈なしだ！』と判断する私。
それについて、おばちゃんとオンライン通話をする日になった。

「あら～　元気ぃ？」
通話をすればいつもと変わらぬおばちゃんだった。

『どうしたんですか？』
「この前デートした小説家の彼、どうだったかなって思って」
『あぁ…散々でしたよ』
「デートの上手下手は置いておいて、人柄的にはどうだったのかしら？」

おばちゃんは何でも見透かしている。
その「デートの上手下手は置いておいて」という言葉ひとつで、既に何があったのか察している様子だった。

「デートが下手なのは仕方ないわよねぇ　彼、初心者なんだもの」
おばちゃんはあっさりスルーする。

『人柄的に…ですかぁ』
私は頭を悩ませる。

『正直、あまり話もできなくて、人柄とか言われても…彼のことは全く分かりませんでした』
「そうなの～…」
湊かなえの「告白」を出した瞬間にむせるような、うぶだということくらいしか。

「ところで、前に偉そうだって言ってたのはどうだったの？」
『え？』

そういえばすっかり忘れていた。
思えば、この前会った時の彼…　偉そうな感じが減っていた。っていうか、敬語で喋ってた。
以前は「まぁね」とか言ってたのに、今回は「はい」だったぞ。

「彼ね、私の方から言ったお陰で頑張ってくれたのよ」
おばちゃんはニッコリと笑った。

『確かに…最初の時ほど偉そうじゃなくなりました』
いや、「俺って観察力があるから」とかってドヤってたのは偉そうな態度の一つかもしれないが。

「彼ね、あなたのこと、「人柄が気に入った」らしいのよ。
別に付き合ってるわけじゃないから、システム的には他の女性と同時並行しても良いんだけどね…
彼はあなた以外と同時並行で付き合うつもりはないんですって。
あなたと真剣に結婚を考えたいんですって。
だからあなたの気持ちがどうしても知りたいって。
『僕に悪い所があれば頑張って直すから、僕の気に入らない所を教えてください』って彼はお願いしてきているの」

…え？

にわかには信じられない話だった。
あんなに気のない態度の人が…本当に？？？