汚れたカーテンが重ねられた机の間で揺れていた。埃と珈琲の匂い。スマートフォンはロッカーの中にあった。図書館へ寄り道してから帰るのが習慣だったから、親から連絡はなかった。何となく、責任ある職業の人なら、おかしなことはしないだろうと信じていた。自分はあらゆる意味で弱い生き物だと知った