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詩音

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1. 憧れの腕時計 ①

「これは、お前に託すよ」

父の手から差し出されたのは、黒く無骨な腕時計だった。
文字盤には見覚えのあるエンブレムが刻まれている。

「これ……憧れのチームだけが持てるやつ!?」

将太は驚きと興奮で目を輝かせた。
幼い頃から特殊部隊に憧れていた。
サバゲーを始め、仲間とともに戦術を磨くのが何よりの楽しみだった。
この腕時計は、父が昔所属していたチームが特注で作ったものだという。

「大切にな」

父の言葉にうなずきながら、将太はそっと腕にはめた。
まるで本物の隊員になったかのような気分だった。

2. サバゲー大会と迷子

数日後、将太は仲間と共にサバゲーの大会に参加した。
広大なフィールド、リアルな装備、そして本物の軍人のような出場者たち。
まるで映画の中に入り込んだようだった。

しかし、ゲームが進む中で事件が起きた。
敵との撃ち合いに夢中になり、気づけば仲間とはぐれていた。

「マズいな……」

周囲を見渡しても、フィールドの境界が見当たらない。
どうやらエリア外に出てしまったらしい。

そのとき、遠くで低い声が響いた。

「ターゲット発見……排除する」

将太は背筋を凍らせた。
そこには、本物の武装部隊がいた。
黒い装備に身を包み、銃を構える彼らは、明らかにサバゲーの参加者ではなかった。

──まずい!!

身を隠そうとしたが、遅かった。

「動くな!」

銃口を向けられた。将太は両手を挙げる。

「ち、違います! 僕はサバゲーに──」

「テロリストの偽装かもしれん。
連れて行け」

そして、将太はあっという間に拘束されてしまった。

3. 特殊部隊の救出

その様子を遠くから見ていた者がいた。
特殊部隊のシンだ。

「……民間人か?」

イヤホン越しに隊長の声が響く。

「可能性は高いが、連れ去られた以上は助けるしかない」

シンは低く呟くと、静かに影へと消えた。
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