いじめから解放されよう：自分の人生を大切にするためのヒント

貴志祐介「新世界より　上中下巻」読了。

前々から気になっていたものの、あまりの大作ゆえに読めなかった、貴志祐介さんの長編小説です[ほほえむ]
貴志祐介さんといえば、ホラー小説のイメージも強いですよね。「悪の教典」も、一応ホラーに入るのかな…あれもなかなかに衝撃的なお話ですが、好きなジャンルなんです。サイコホラー。

この「新世界より」を読むにあたって、ブックオフを物色しましたが、なんと上巻だけが3冊置いてありました…これはおそらく上巻で挫折する人も少なくないということ。迷いましたが、上巻だけを購入し、中下巻は電子書籍を購入しました[照れる]

読んでみて、なるほどこれは読む人を選ぶかもしれないなぁ…と納得。上巻は、このお話の世界観に引き込むいわば序章のようなもので、聞き慣れない言葉が次々出てきます。ここを突破してしまえば、ただひたすらに面白いです[大笑い]
私もゆっくり読むつもりが、一気読みして更に漫画までチェックし読破してしまいました。これからアニメもみます。この世界観、良過ぎます。

漫画はちょっと、百合描写が強過ぎたかも…でも、後半の展開は漫画も原作に負けてなかった。富子様のところは特になんか、泣けました。原作とは異なるところは多いものの、世界観は保たれています。小説を読む暇がない方も、興味があればぜひ漫画でこの世界観を味わってみて欲しいです[照れる]

それにしてもこの、圧倒的な構成力にはただ感嘆させられました。読んでいる間は、まるで異世界にいるようでした。それほどまでに、ある種のリアリティがあります。

お話の中で数々の争いが起きますが、人間の業そのものであると感じました。これは、今まさにリアルの世界でも起きている、戦争そのもの。何だかんだとあたかも正当であるかのような理由をつけ、自分と相手とを隔て、殺戮する。惨たらしい構図は、真理を突いています。

ちなみにタイトルの「新世界より」は、ドヴォルザーク交響曲第9番からです。第2楽章の主題は「家路（遠き山に日は落ちて）」のメロディーで知られています。この歌は小説の中に繰り返し出てきました。楽曲を聴きながら楽しむのも良いかもしれません[照れる]

どっぷりとお話の世界観に浸る体験をしたい方に、オススメの本です。大変素晴らしかった。

#読書　#読書メモ　#貴志祐介

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