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えーちゃん

えーちゃん

#思い出語り

小学校低学年の頃
校長室に親を呼ばれた事があった

学校で鮭の赤ちゃんを育てて川へ放流する授業があった
教室の後ろで鮭の赤ちゃんをみんなで順番にお世話して育てていた
私は鮭の赤ちゃんに興味津々で毎日見に行き観察していた

ある日偏食で好き嫌いが多く、よく給食を残す私を先生が厳しく叱った
「全部食べ終わるまで昼休みはない」
そう言われ1人残されて目の前に給食を置かれて居た
1番嫌いだったのは牛乳だ
あの生ぬるい牛乳が最も嫌いだった
冷えているか温かくないと飲めなかった
他のものは我慢して食べられたが牛乳だけは受け付けなかった
私は先生に聞いた「なぜ牛乳を飲まなければいけないのか」と
先生は言った「子どもの栄養に欠かせないものだから」と「飲めば骨が丈夫になり大きく育てる」と

私は言い返せなかった
私はまだ子どもだからだ
確かに必要なのかもしれない
だがどうしても飲みたくなかった

牛乳と私と先生が睨めっこ状態で時間が過ぎる

「先生は職員室で用事がある
すぐに戻るから飲んでおくように
捨てたりしたらすぐにわかるからしないように」

そう言って教室を出た

もうすっかり常温になっている牛乳を睨みながら先生の言葉を咀嚼している私は気付いた

「私より栄養が必要な存在が居るのでは?」

先生が教室に戻ってきた時、私は椅子に登り教室の後ろの水槽に牛乳を入れている最中だった

悪意は一切なかった
牛乳を飲みたくなかったのは事実だ
だが捨ててしまうような無駄にするような事はしたくなかった
赤ちゃんの方が栄養が必要だろう
本当にそう思った結果だったのだ

親が呼ばれ
大人4人にしこたま怒られ
稚魚は牛乳水の中では生きられないと教えてもらい
私は魚のお世話当番から外された
水槽は校長室の前の廊下に移され
少しサイズが小さくなった稚魚達が綺麗な水槽に戻っていた

そんな私は大人になって発達障害の診断を受けましたとさ
めでたしめでたし
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