共感で繋がるSNS
GRAVITY(グラビティ) SNS

投稿

わかば

わかば

人というのは本当にいろんなことをすっかり忘れてしまうのだ、ということ、そして、ある時期に夢中になったたった一曲のポップソングを聴くことがきっかけですっかり忘れていたことを鮮明に思い出すものなのだ、ということ。
自分がボブ・ディランにすっかり夢中になるのは、91年にリリースされたCD3枚組「The Bootleg Series Volume 1~3」に収録されていたこの「Mama, You Been On My Mind」という曲にすっかり取り憑かれてしまったから、だったのでした。
おそらく今、皆さんが聴いてもらったとしてもえ?この曲そんな魅力ある?という感じかもしれません。
ただ、とにかくこの曲のクリシェを使ったコード進行と、おそらくまだ固まっていなかったせいで、4の拍に時折3や2が混在する実に適当なトニックの動きと、どうにも所在なげな歌、そして、去っていった女性のことをまだ思い続けているということだけを歌い続けるリリックーーそのすべてに取り憑かれ、50数曲収録された3枚組CDからたった一曲、このヨレヨレのデモだけを聴き続けたのでした。
ディラン自身はこの曲のスタジオ録音を残しておらずデモが2つあるだけ。
あとは曲を書いた直後、1964年にジョーン・バエズとデュエットで歌ったライブテイクがひとつ、ローリング・サンダー・レビュー期にやはりジョーン・バエズとのデュエットをもうひとつのライブテイクとして残しているだけです。
64年のライブテイクは最高です。まだ小節数、拍の数も曖昧な状態なのに、その適当なディランに無理やり着いていきながらむしろ彼の歌を圧倒するジョーン・バエズ、すごい。
カバーもどれも個性的です。ジェフ・バックリーとジョージ・ハリスン、それとリンダ・ロンシュタットがお気に入りです。
面白いのは、どの作家も全員がディランのデモとはコード進行や拍の数を変えて演奏していること。わかる、整理したくなる気持ちは。でも、へろへろでよれよれのディランのデモが一番のお気に入りなのです。
GRAVITY

Mama, You Been on My Mind (Studio Outtake, 1964)

ボブ・ディラン

GRAVITY
GRAVITY61
話題の投稿をみつける
関連検索ワード

人というのは本当にいろんなことをすっかり忘れてしまうのだ、ということ、そして、ある時期に夢中になったたった一曲のポップソングを聴くことがきっかけですっかり忘れていたことを鮮明に思い出すものなのだ、ということ。