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ジョドー
あのドラ声も良かったが、あのアニメ番組について論じる時彼の四次元ポケットから繰り出される数々の秘密道具が一番の魅力であった。あの頃の私は、大山さんが番組に込めた願いよりも秘密道具に魅せられていた。大概の子供たちはそうだったと思う。今になってみると、乱暴な殺伐とした言葉遣いはしないという彼女の配慮が長寿・国民的アニメ番組になっていったきっかけだったのだと思い至った。
晩年は決して恵まれていなかった。12年に認知症を発症され、旦那様は大山さんのことを心配しながら癌で逝去されてしまった。それとも考えようによっては、神様のくれたギフトだったのだろうか。もしも心身がしっかりされている状況で夫の砂川(さがわ)さんの死を目の当たりにしていたら、やはり悲しいことは悲しかっただろう。女性のほうが悲しさを引きずることは少ないとよく言うが、この点どうだったのかわからない。
ただドラえもんの声でかつての少年・少女を楽しませてくれた余禄として、精神の痛みの少ない老後を送ったと思いたい。あのしゃがれた温かみのこもった声は記憶に残り続けるだろう。
間違いなく少年時代を彩ってくれた方だった。
※何日も原稿を書き留めているうちに、昨日西田敏行さんの訃報が飛び込んできた。大山のぶ代さんの死から大して日数が経っていないのにと茫然としている。西田さんを知ったのは、「最遊記」というドラマの猪八戒役であった。詳細はまた来週にでも書くが、名優の立て続けの逝去に昭和は遠くなりにけりと思わざるを得ない。合掌。
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