成長したガビルの姿に感動...単純だけど素敵なやつだよね

こんばんは宇宙。
ハロウィンを一足お先に、ゾンビの指ケーキ。
トライフルに指クッキーが刺さっている。
爪はアーモンド。おそるおそるしたから食べるけれど、リアル味は増していくばかり。

IKEAのショウルームは相変わらず、夢に溢れていた。ファミリーにカップル、1人で集中している人も。ドイツの学食を思い出させるレーンに大きなトレイを乗せて、空のコーヒーカップとスイーツに手を伸ばす。車酔いもしていたし食欲はなかったけれど、ここからはスタミナの勝負だから、コーヒーカップにティーパックをいれて、並々とお湯を注ぐ。

猫たちの爪とぎでボロボロになったソファは、前のアパートからも前の前のアパートからも持ってきたけれど、うさぎ小屋の様な我が家で確実にスペースを取っていたし、何より、ソファとしての役目を果たしてはいなかった（猫の寝場所と取り込んだ洗濯物の一時置き）
おしゃれと思って購入した爪とぎ兼キャットタワーより、猫たちは段ボールの爪とぎを好んだ。

そんな経緯もあって、ソファとタワーを処分して、ラグをひいて床に座るスタイルに切り替えることにした。低めのテーブルを置いて、お茶を飲んだり手紙を書いたり、編み物をしたり、しよう。秋の支度に少し、心躍った気がした。

子供達はソファベッドの寝心地を試している。
おませな女の子が、この幅で足りるかしら、と父親らしき人と話している。イグアナがいいな、と思って眺めていたベッドに、ブリーチした髪を後ろで束ねたお兄さんが、これいいな、と潜り込んだ。人の趣味はわからないものだ。友達になれるかもしれない。

紙ナプキンしか買えないお財布でも、ここでは夢が見られるのだなと、思った。売られているのは家具そのものではなく、好みの部屋で好きな人たちと幸せに過ごす夢が、売られている。
デパートの地下にある、白い粉を纏ったぶどうや、はちみつ漬けのナッツや、クラッシュアイスの上で光るお魚たち。そういう類のものたち。

うんと頑張れば、手が届きそうな、夢。
ぐるり一回りしてレジに向かう。
結局ラグも机も買わなかった。
ゾンビのスタミナは意外ともたなかったのだ。
そんな日もある。がっかりはしない。

外に出ると太陽はとっくの昔に落ちていた。